【書評】今更ながら、さすが池上彰だなと思いましたby 伝える力
今日は、テレビに引っ張りだこの池上彰さんの本。
週刊子どもニュースのイメージが強いかもしれませんが、この本のメインターゲットは現役のビジネスパーソンです。
仕事の様々な場面で必要とされる「伝える力」をどのように磨き高めればよいのか。
池上さんが試行錯誤しながら編み出してきたものが盛り込んであり、役に立つかと思います。
ただ具体的な手法もそうですが、
それ以上に人間の幅を広げるためのヒントが書いてあって、読んでよかったな思えます。
2007年の本なので今更感が否めないですが、満足。
だいぶ端折りしてました。
まずは自分が知らないことを知る
一般的に、大人には知識や経験・社会性が当たり前のように求められるため、大方の大人はそれっぽい振る舞いをします。
社会に出て何年か経つと、世の中のことがなんとなく分かったつもりになるかもしれませんが、実は分からないことがたくさんあるのです。
知ったつもりになっても、実は知らないことは、誰しも山ほどあります。謙虚になれば、それが見えてきます。逆にいうと、謙虚にならないと何も見えてこないし、成長も上達もしません。
当たり前のことですが、大前提自分で理解する努力はした上で、分からないことは教えを請う姿勢で解決していかないとな思います。聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥です。
つかみ力
つかみが大事。コミュニケーションでは使い古されてきた言葉ですが、本書では、このつかみ力について、事例と共に語ってくれているので、非常に分かりやすかったです。
たとえば!
成功談より失敗談を
他人の失敗談はおもしろいものです。
他人の自慢話は、喋っている本人は楽しくても、聞いている方はしらけます。でも、失敗談は面白がってくれるのですね。おもしろがるだけでなく、「この人は、自慢話をするのではなく、率直に自分の失敗を語れるなんて、ざっくばらんな人ね」と好感度がアップするのです。
これは、「伝える力」とは少し離れるかもしれませんが、「人間としてのつかみ」という上では、非常に重要な素養かなと思います。
初対面の相手にいきなり失敗話をするのもあれなので、シチュエーションによりけりではありますが、
この人なんか面白そう、じゃあ聞いてやろうか。
となって、その後がやりやすくなりますよね。
割と目からウロコでした。
もう1人の自分を育てる
あなたの話に興味を持つと、大概の人は「へぇー」という感嘆の言葉を発するものです。
相手のこの「へぇー」は、1つのパラメーターです。
たとえば、会議で発表をしているとき、「反応がいまひとつだな」と思う。
そうしたことに気がつくだけでも、「もう1人の自分」がいると言えそうですが、まだまだ不十分。
「じゃあ別の方面から説明してみよう」
ここまで思えて、実行に移してこそ、もう1人の自分がしっかりとツッコミを入れていると言えるのです。
くそしょうもねぇそんなの当たり前だろwと思うかもしれませんが、一番シンプルで大切なことです。
独りよがりのトークでは、「へぇー」は獲得できませんし、その場を俯瞰して自分を客観視するクセをつければ、伝える力は確実に上達していきますよね。
アウトプットには上質なインプットを
書くことを生業にしている人は、若い頃から現在にいたるまで、実にたくさんの本をよんでいます。
そうやって大量の知識を吸収し、自らの血肉にしています。また、技術的にも多くを学び、自分の作品に反映させています。
読書をすることが重要なのは、ビジネスパーソンも同じです。豊かな表現力や説得力のある文章を書くには、本を読むことがどうしても必要です。
いろんな登場人物に自分を投影させて読むことで、実に様々な体験をすることができます。
感動したり怒ったり笑ったりすることで、あなたの感性を豊かにもしてくれるはずです。
それは、話すときにも、書くときにも、「人間としての幅」となって現れてくるように思います。
本を読む意味を定義してくれていて、モチベーションになりますよね。かっこいい大人に共通しているものはやっぱり人生の経験値だと思います。
だから他人の人生を経験できるという意味で、読書は人生を豊かにするもんだなと感じます。
時間がないといってなかなか読んでませんでしたが、良質な文章にたくさん触れていきたいと思います。
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おわり