「自分イズム」をアピールしすぎるな ライフハッカー書評家の伝わる文章を書く技術 by 印南敦史
新年、あけましておめでとうございます。
ブログを書くようになって2週間。
せっかくなら、いい文章を書けるようになりたい。
そんな想いで購入した本ですが、目から鱗でした。
ビジネスパーソンのNo.1ブログメディア、
「ライフハッカー」で書評を書き続けている印南敦史さんの一冊です。
プロの書評家である印南さんが、
”文才を育てる”手法や考え方を具体的に説明してくれています。
書くことを仕事にするって凄く難しいことだと思いますが、
読み手のことを徹底的に考えていて素直に関心しました。
読み手の視点に立つ
必要なのは、まず「誰が読むのか」「誰に読んでほしいのか」をはっきりと意識すること。つまりは、ターゲットを見極めることです。書籍であろうが、企画書あろうが、社内的なメッセージやメールであろうが、読み手がいる以上はすべて同じことがいえます。そもそも「そんなの当たり前すぎる」といった印象を持たせるかもしれません。しかし現実的に、その点を考慮しているとは思えない文章が世の中には少なくないことも事実なのです。(本書52p-53p)
性別や年齢、立場は最低限、読み手の考え方、ルックスまで想像するようです。
決して専門的な分析ではなく、いくつかにイメージに色付けをし、
漠然とこういう人なんだろうなーと思いながら、書くだけで全然違うんだと。
特に、ブログメディアのターゲットはマスではないので、ここはやっぱり当たり前にやっておきたいところです。
コンテンツ選びにしても、「今世の中で話題になっているから」ではなく、「○○の読者に向いているから」という視点で選ぶほうが、ニーズを捉えることができるんでしょう。
自分イズムをアピールしすぎるな
伝えるための文章表現について考えた場合、不特定多数の読者をターゲットにした「ライフハッカー」におけるそれと、ビジネスの現場での表現(プレゼンテーションのための書籍など)には共通する部分があると思っています。
いちばんの共通点は、「自分イズム」をアピールすべき場所ではないということ。
自分にはなにか表現したいことがあり、それを発露していくことがライターだと考えている人が結構いる。それに誰もが発信できる時代になってくると、みんなそういうことをやるんですよね。だけど、そこに読者が存在するのかっている話ですよね。書き手の思い入れなんて興味ないんです。読者はそんなものを読みたくない。ネットの読者っていうのは、自分と少しでも関係があることに反応するし、そうでないものはスルーしますから。(p166)
ブログという個人の情報を発信するメディアでは、「自分イズム」を大事にされている方もいるかもしれませんが、少なくともなにかしら役に立つ情報を届けたいという”ニュース性のあるメディア”である以上、非常に重要な素養だと思いました。感情の赴くままに書かれた文章というものは、それが自分の書いたものであろうと他人が書いたものであろうと、無条件に恥ずかしいです。
深夜に書いた文章がなぜかリリック調で気持ち悪い
主張が強くて暑苦しい
上のようなことはよくあることで気をつけなきゃですね。
冷静さと客観性とわかりやすさ
この3つの要素は文章を書く上で、片隅で意識し続けていきたいですね。
読ませる文章に必要なもの「リズム感」
読ませる文章にするために、印南さんが最も意識されているのが「リズム感」みたいです。
文章を書くとき、私が常に意識しているのが「リズム」です。
リズム感のある文章を書きたいという気持ちが強いからで、本音を言えばリズム感のない文章には魅力を感じません。
リズム感のある文章は、すらすらと読みやすいから。そしれもっと極端で勝手な解釈をさせていただくなら、適切なことばを選ぶことによって、テンとマルをうまく使いこなすことによって、少しばかり韻を意識されることによって、文章は「音楽的」になるということ。
音楽的な文章って凄いですよね。
本書では例文と共に、リズム感の重要性を語ってくれているので、とても分かりやすいです。人の文章には意外と無駄な文が多く、それらが脂肪となって、醜い、読みづらい文章になっているようです。
シンプルな言葉で分量を制限しながら、テンでリズムを与えていくと、書くこと自体が心地よいものになっていくんだとか。
大事なのはとにかく書いて、経験を積んでいくこと。リズム感を意識しつつ、まずは記事数を積み重ねていければと思います。
競合は、実はそれほど多くない
誰でも情報を発信できる時代。
読み手より書き手が増えている状況で、そもそもそれを競合と語ること自体がイケてないが、あえて競合というのであれば
今新しいメディアを始めても…
ブログなんて二番煎じどころの騒ぎじゃない…
とか色々と思うことがあります。
ただ、『より身近な情報を、より具体的に、自分の生活にインストールしやすい情報に変えて伝えているメディア』は実際それほど多くないんじゃないか、とこの本を読んで思いました。
テクニックもそうですが、
それ以上に読み手がいる意識を持って、
楽しんで書き続けていければとおもいます。
▼本のURL
https://www.amazon.co.jp/プロ書評家が教える-伝わる文章を書く技術-印南-敦史/dp/4046009497
おわり